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魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS クロス元:トランスフォーマー 最終更新:15/09/06 ●第一部――――●第二部 第一話―――――第一話 第二話―――――第二話 第三話―――――第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 第九話 第十話 第十一話 第十二話 第十三話 第十四話 第十五話 第十六話 第十七話 第十八話 第十九話 第二十話 第二十一話 第二十二話 第二十三話 第二十四話 第二十五話 第二十六話 第二十七話 第二十八話 第二十九話 第三十話 第三十一話 第三十二話 拍手感想レス :蠍型の機械はメカザラックじゃなくてスコルポノックというらしいですよ。 :映画版TF大好きなのでこのクロスは嬉しいですね。次の更新を楽しみにしています。映画ではバリケードが撃破されるシーンがなかったので、その辺を書いて欲しいです。 :デストロン人数増量?これはサイバトロン側の登場が待ち遠しいです!ヴォリケンリッターとマイスター、アイアンハイド、ラチェットの共闘なんてのもいいかもw(立ち位置似てるから) :映画では秒殺されたボーンクラッシャーの大暴れを希望! :久々の更新感激しました!次はいよいよメガザラック戦ということで楽しみにしています(アイツは映画じゃ初戦の後どうなったか曖昧でしたから最終決戦できっちりケリを着けてほしいですね)。 応援・感想のコメントなどはこちらへどうぞ コメントページ TOPページへ このページの先頭へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 第6話 【進展】 なのは「初めての戦いは、やっぱりピンチの連続だったけど」 フェイト「歩き出した子どもたちは、ちゃんと自分で進んでいってる」 はやて「迷いはひとまず、胸の奥に仕舞っておいて」 なのは「これからも続く、チームでの戦い」 フェイト「合図と一緒に、仲間と一緒に、立ち向かう戦い」 はやて「それぞれの場所での、それぞれの戦い」 なのは「魔法少女リリカルなのはStrikerS…始まります」 リイン「5月13日。部隊の正式稼動後、初の緊急出動がありました。密輸ルートで運び込まれたロストロギア、 レリックをガジェットが発見。輸送中のリニアレールを襲撃。それを阻止、 レリックを回収するという任務でしたが、六課前線メンバー一同の活躍もあって、 無事に解決。確保した刻印ナンバー9のレリックは、現在、中央のラボにて保管、調査中。 初任務としてはまず問題ない滑りだしだ、と部隊長のはやてちゃん。六課の後継人。 騎士カリムやクロノ提督たちも満足されているようです、と」 ヴィータ「あたしやお前のポジション、フロントアタッカーはな。敵陣に単身で切り込んだり、 最前線で防衛ラインを守ったりが主な仕事なんだ。防御スキルと生存能力が高いほど、攻撃時間を長くとれるし、 サポート陣にも頼らねぇで済むって、これはなのはに教わったな」 スバル「はい!ヴィータ副隊長!」 ヴィータ「受け止めるバリア系、はじいてそらすシールド系。身にまとって自分を守るフィールド系。 この三種を使いこなしつつ、ポンポンふっとばされねぇように、下半身のふんばりと、 マッハキャリバーの使いこなしを身につけろ」 ヴィータ「グランファイゼンにぶったたかれたくなかったら、しっかり守れよ」 フェイト「エリオとキャロは、スバルやヴィータみたいに頑丈じゃないから、反応と回避がまずは最重要。 まずは動き回って狙わせない。攻撃が当たる場所に、長居しない!」 フェイト「スピードが上がれば上がるほど、勘やセンスに頼って動くのは危ないの。 ガードウィングのエリオは、どの位置からでも攻撃やサポートをできるように。 フルバックのキャロは、すばやく動いて仲間の支援をしてあげられるように。 確実で、有効な回避アクションの基礎。しっかり覚えていこう」 なのは「ティアナみたいな精密射撃型は、いちいち避けたり受けたりしてたんじゃ、仕事ができないからね」 なのは「足はとめて、視野は広く。射撃型の真髄は?」 ティアナ「あらゆる相手に、性格な弾丸をセレクトして、命中させる。判断速度と命中精度!」 なのは「チームの中央に立って、誰より早く中長距離を制する。それが私やティアナのポジション、センターガードだよ」 ティアナ「はい!」 エリオ「もう物心ついたころから、色々よくしてもらって。魔法も、ボクが勉強を初めてからは時々教えてもらってて。 本当にいつも優しくしてくれて。ボクは今もフェイトさんに育ててもらってるって思ってます。 フェイトさん、子供の頃に、家庭のことでちょっとだけ寂しい思いをしたことがあるって。 だから、寂しい子供や、悲しい子供のこと、ほっとけないんだそうです」 エリオ「自分も、優しくしてくれるあったかい手に救って貰ったからって」 フェイト「変じゃない?」 なのは「全然変じゃないよ。ちゃんとかわいいよ、フェイトちゃん!」 ゲンヤ「ま、うちの捜査部をつかってもらうのはかまわねぇし、密輸調査はうちの本業っちゃあ本業だ。 頼まれねぇことはないんだが…」 はやて「お願いしますぅ」 ゲンヤ「八神よ。他の機動部隊や本局捜査部じゃなくてわざわざうちに来るのは、何か理由があるのか?」 はやて「密輸ルートの捜査自体は彼らにも依頼しているんですが、 地上のことはやっぱり地上部隊が一番よく知ってますから」 ゲンヤ「ふん。まぁ、筋は通ってんな」 シャーリー「それにしても、よく分からないんですよね、レリックの存在意義って」 フェイト「うん」 シャーリー「エネルギー結晶体にしてはよく分からない機構が沢山あるし、動力器官としても何だか変だし」 フェイト「まぁ、すぐに使い方が分かるようなものなら、ロストロギア指定はされないもの」 フェイト「随分昔に、私となのはが探し集めてて…。今は局の保管庫で管理されているはずのロストロギア」 シャーリー「ほぉ、なるほど。…って、なんでそんなものが!?」 フェイト「Dr.ジェイル・スカリエッティ。ロストロギア事件関連を初めとして、 数え切れないぐらいの罪状で超広域指名手配されてる一級捜索指定の次元犯罪者だよ」 シャーリー「次元犯罪者…」 フェイト「ちょっと事情があってね。この男のことは、何年か前からずっと追ってるんだ」 シャーリー「そんな犯罪者が、何でこんなに分かりやすく自分の手がかりを?」 フェイト「本人だとしたら挑発。他人だとしたらミスリード狙い。どっちにしても、 私やなのはがこの事件に関わってるって知ってるんだ」 フェイト「あの男は、Drのとおり名通り、生命操作とか生体改造に関して異常な情熱と技術を持っている。 そんな男が、ガジェットみたいな機械を大量に作り出してまで求めるからには……」 なのは「細かいことで、叱ったりどなりつけてる暇があったら、模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめしてあげるほうが、 教えられる側は学べることが多いって。…教導隊では、よく言われてるしね」 ヴィータ「おっかねぇなぁ。おい」 なのは「私たちがするのは、まっさらな新人を教えて育てる教育じゃなくて。強くなりたいって、 意思と熱意を持った魔道師に今よりハイレベルな戦闘技術を教えて、導いてゆく。戦技教導だから」 ヴィータ「連中は自分たちがどんだけ幸せか、気づくまで結構時間がかかるだろうなぁ。 自分勝手に戦ってる時も、いつだってなのはに守られて幸せに。 …あたしはスターズの副隊長だからな。おまえのことは、あたしが守ってやる!」 スバル「今度の任務はホテルの警備とオークションの護衛」 ティアナ「オークションを狙うガジェットと謎の召還魔道師」 スバル「次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS第7話」 ティアナ「ホテル・アグスタ」 スバル・ティアナ「Take off!」
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魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第1話 魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第2話 魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第3話 魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第4話
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リリカルなのはFeather 第二話 「天使VS戦乙女」 「……ねぇ、ティア……何なんだろう?……あれ?」 スバルがイーグルを指し、ティアナに答えを求める。 「知らないわよ、こっちが聞きたいぐらいなんだから?!」 ティアナは混乱していて、冷静な判断力が失われていた。 ( わからない。 いま、起こっているすべてが、あたしの理解を超えてる。) 「大丈夫だよね? エリオくん」 キャロはエリオの片腕をつかみエリオに問いかける、そのエリオは。 「……すごい……」 イーグルの気高さと強さに憧れと羨望の眼差しを向けてる。 そしてヴィータはこの状況を今ひとつ掴みきれてなかった。 「なんだ、あれ? どっかの特撮の撮影か?」 ヴィータは辺りを見て、ある筈の無いカメラがあるかどうか探し、コンサートホールの上を視た時、一瞬でイーグルがスバル達の上空に現れた。 「 ど、ど、ど、どうしよう?」 スバルは急にイーグルが現れた事に驚いていた。 「嘘でしょ? 何でいきなり……現れるのよ」 ティアナは悲愴の表情でイグールを見つめて言った。 「……カッコイイ……」 「ねぇ、エリオくん、エリオくん。 お願いだか聞いてよ!」 もうイーグルの事しか考えていないエリオにとってキャロの必死の叫びは届いてはいない。 ヴィータは正常な状態ではない、スバル達を落ち着かせようとしていた。 「いいか、もしあいつが敵だとしても、あたしらが敵わないって決まってねぇから落ち着け。 それともあたしがアイツに負けるとでも想っているのか?」 そう言って、ヴィータはスバル達を見つめる。スバル達も日頃から感じてるヴィータの強さがイーグルに対する不安や恐れを消してゆく。 そしてイーグルがスバル達に所に近づいて来た。 「来やがったな、よしお前らッ! デバイスを起動させるぞ!!」 「はい!」 「グラーフアイゼン」 「マッハキャリバー」 「クロスミラージュ」 「ケリュケイオン」 「ストラーダ」 「set, up」 半壊したコンサートホールにスバル達の声が響き、それぞれのバリアジャケットとデバイスを展開した。 デバイスを構え、イーグルを迎え撃とうした時、イーグルは、一瞬でスバル達の視界から消え、スバル達の後ろに回った。 「え、そんなのあり? 」 スバルが驚きながら、後ろのイーグルに向かって言った。イーグルは気絶してる、つばさを抱きかかえ、 淡い光を発しながら飛翔の姿に戻った。決して裸ではなく服を着た状態で戻った。飛翔は辺りを見回し、一際に目立つ格好をしてるスバル達の方を見つめ、 数秒の沈黙の後、つばさを地面に置き、飛翔は恐る恐るスバル達に問いかける。 「あのー、貴方達は、何なんですか?」 飛翔の問いにスバルが必死に説明をする 「えっと、 あたし達は時空管理局本局 古代遺物管理部 機動六課のスターズ分隊とライトニング分隊で、 あっちのから、ティアナ、エリオ、キャロ、ヴィータ副隊長で、あたしがスバルだよ」 スバルは満足そうに説明を終え、飛翔を見つめる、対する飛翔は恐怖が頭を渦巻いている、 普通の一般人の飛翔がこの説明を聞いても、とても理解出来るものではない、そこにヴィータが面倒くさそうに飛翔に言い。 「はぁ~。 とりあえず、一緒に来い」 言い終えた時、シグナムがバーサーカとの戦いで出来た天井の穴から現れ、その事により飛翔の恐怖は更に増した。 シグナムも飛翔の様子を見て、状況の確認と飛翔の事をヴィータに聞く。 「なぁ、ヴィータ。そいつは誰だ、先程から今にも死にそうな顔をしてるのだが。 あと、ここで暴れて居た怪物はどうした?」 「あぁ、コイツ?変身ヒーロで怪物もコイツが倒した」 ヴィータの答えにシグナムは困惑した。 シグナムの眼から見ると、怪物を倒せると到底理解出来る物では無く、更にヴィータの変身ヒーロとゆう言葉が寄り困惑を招いた。 「ちょと待て、ヴィータ。その変身ヒーロとは具体的に何だ?」 「えっと、めちゃくちゃ速いスピードと炎使いで剣も使ってたぞ」 「なに、それは本当か」 シグナムから困惑は消え、変わりに歓喜と好奇心がシグナムを支配した。 自分と同じ炎使いで剣も使う物、その言葉にシグナムはとっては行けない行動を起こした。 レヴァンティンを飛翔に向けた、その事により飛翔は錯乱状態に陥り、勝手に左手のゴッドフェザー が覚醒し、 飛翔をライディーンイーグルに成った。 「おお、これがお前の力か?なかなか強そうだな!」 そお言い、嬉しそうにレヴァンティンを構えるシグナムの視界からイーグルが消え、次の瞬間シグナムの騎士甲冑ごとを斬られいた。 「何しやがんだ、テメェ!」 ヴィータはイーグルを激しく睨んだ。対するイーグルは冷たい視線でスバル達を見つめ。 「貴様らは、敵だ」 虚ろな声で言い、イーグルは又スバル達の視界から消え、エリオ、キャロ、ティアナを炎を纏った拳で殴り、バリアジャケット でも吸収できない、衝撃が3人を襲い、気を失った。その光景を見たヴィータは怒りの儘にイーグルに向い、イーグルも天井の穴から屋外に出て ヴィータを迎え撃つ。 「テメェだけはゆるさねぇ!!」 ヴィータの怒声とコッキング音が響き、ハンマーフォルムからラケーテンフォルムへ変形し、イーグルに攻撃を仕掛ける。 「はぁぁぁ!」 「ハァッ!」」 ヴィータの怒りに任せた攻撃は全てイーグルにかわされ、隙を突いてヴィータの騎士甲冑を切り刻んでゆく、 その事にヴィータの怒りが増し更に隙が多くなるとゆう悪循環が続く。 スバルは斬られたシグナムに駆け寄り、シグナムを気遣った 「大丈夫ですか?シグナム副隊長」 「あぁ、大丈夫だ、斬られた傷もそれ程、深くはない。私達もアイツを倒す」 「は、はい」 シグナムとスバルはイーグルとヴィータが戦っている、コンサートホールの上空に向う。 イーグルはヴィータに止めを刺そうとしてた。 「イーグルフレアー」 そう叫んだ瞬間、背後からシグナムとスバルの攻撃を受け、イーグルフレアーは軌道を反れ、ヴィータに当たらなかった。 シグナムが叫んだ。 「ヴィータ、スバル一気に方をつけるぞ!」 「おう」 「はい」 そして3人、それぞれの必殺技に撃つ。 「飛竜……一閃」 「ラケーテンハンマー」 一撃、必倒! ディバイン……バスタァァー!!」 三つの必殺技がイーグルに迫る、イーグルは虚ろの声で囁く 「ゴッドバードチェンジ」 イーグルは一瞬で炎の鳥に変わり、その姿にスバル達も驚いていた。 三人の必殺技とイーグルのゴッドバードアタックがぶつかり合い、相殺して4人は気を失なう。 少し時間経ち、コンサートホールにロングアーチの隊員が証拠隠滅と気を失っている、スバル達の回収を行っている。 「急げ、時間がない」 上司の男が部下を命令してる時、ある隊員が飛翔を発見し上司の男に報告する。 「隊長、この者に魔力で攻撃された箇所が多数見受けられます」 上司の男も困惑気味で話す。 「と、とりあえず、この男をクラウディアに連れて行く」 部下は飛翔を運び出そうとしたがつばさを抱きしめてた腕が解けずに上司の男に相談する 「隊長、この男が抱きしめている女の子は如何すれば良いのでしょうか?」 上司の男は焦りながら 「もう時間が無い、一緒に連れてけ!」 そして飛翔はクラウディアの客室で眼を覚ました。 「おはよう、鷲崎飛翔くん」 はやては微笑みながら、飛翔の名を呼んだ。 「何で俺の名前を知ってるんですか?」 飛翔は平常心を装っているが内心は気が気ではない。 「別に、ただ、君のことを調べただけや。名前以外の事も知ってるよ」 はやては笑顔で飛翔の質問に答えた、その答えに飛翔は驚き、ある言葉が頭に浮かんだ、時空管理局。 「貴女もあの人達の仲間なんですか?」 飛翔はあの時の恐怖が甦り始めた。はやてはそれに気付き、飛翔に謝りだした 「あー、あれはこっちが悪いはかんにんな。あないな事が遭った、後にいきなり管理局やら剣を向けって、本当にごめんな」 不思議そうにはやてを見る飛翔。 「で、物は相談なんせやけど、時空管理局に入ってみない?」 飛翔は突然の勧誘に驚き、思考が数秒間停止した。 「あー、ごめんな、いきなりこんな事、言うて。でも良い話と想うけどな」 はやては飛翔に何か言いたそうにしている、それに気づき飛翔は、はやてに尋ねる。 「何ですか、良い話って」 「プライベートな事に口を鋏むのはあまりしたく無いけど……飛翔くんの両親、交通事故にあって 意識不明の重体でしょ。」 はやての言葉に飛翔は驚愕する、はやても話を続ける。 「そして、今は親戚の叔母さんの所に住んでるけど、あまり迷惑は掛けたくない? でも、つばさちゃんを面倒見るには衣食住とお金が要る、だから叔母さん家に居なきゃいけない、でも管理局に来れば お金と衣食住すべて手に入るんや、良い話と想わないかな?」 はやては問い掛ける、飛翔も叔母さんに迷惑をかけずに居られるならそれで良いと想い。 「分かりました、管理局に入ります」 「ありがとう、飛翔くん」 はやては飛翔と握手をして、満面の笑みであった、ただ一瞬、邪な笑顔がちらついていた。 戻る 目次へ 次へ
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「ん……?」 グレイがこの世界に現れてから二日が経った。 彼が目覚めたのはベッドの上。それも宿屋にあるような上等なものではなく、どちらかと言うと簡素なものだ。 しばらくグレイはその場で停止する。どうやら状況を飲み込んだ上で、これからの行動を考えているのだろう。 この状況になるまでに憶えている事は、エロールによってこの世界に飛ばされたこと。続いて燃え上がる建物の中での戦闘。それからの記憶は無い。 これがどういう事かを考え、戦闘後に建物から連れ出され、ここに運び込まれたのだと結論付けた。 あの場にいた中でそれができそうなのは、白服の女、高町なのはただ一人。あの後で誰かが来たのでなければ、なのはに連れ出されたのだろう。 ふと、近くに来ていた看護婦が気付き、話しかけてきた。 「あら、目が覚めたんですね」 そう言うと、看護婦がグレイへと歩み寄ってくる。対するグレイは、その看護婦に問い、看護婦もそれに答えた。 「ここはどこだ? 何故俺はここにいる」 「ここですか? ここは聖王医療院です。あなたはミッド臨海空港でモンスターと戦って、その後ここに運び込まれたんですよ」 実に簡潔な回答。おかげで先程の考えが正しかったと証明された。 さて、グレイの頭には現在、一つの単語が引っかかっていた。『ミッド臨海空港』という単語である。 ここで言うミッドとは、おそらく彼の目的地であるミッドチルダ。つまり到着時の状況はともかく、目的地には到達できたという事らしい。 と、ここで看護婦がグレイに一つ伝言を伝えてきた。 「ああ、そうそう。あなたが目を覚ましたら伝えるように言われていたことがあったんでした。 目が覚めて、もし動けるようになったら時空管理局本局に来てほしいって、高町教導官からの伝言です」 ……本局とは一体どこだ? Event No.02『高町なのは』 目覚めてから数日後、グレイが本局ロビーの椅子に座っている。受付の順番待ちである。 普段から腰に差している古刀は無い。どうやら管理局で預かっているようだ。 先日の伝言には、本局に来たときに返すとの旨もあった。だから刀を返してもらう意味でもこちらには来る必要があったのである。 ちなみに他の荷物は病院を出る際に返してもらっている。 と、そんなことを言っている間にグレイの番が来たようだ。受付カウンターまで移動し、用件を伝える。 「高町教導官という人物に呼ばれて来た。取り次いでくれ」 「高町教導官に……ですか? ただいま確認しますので、少々お待ちください」 そう言うと受付嬢は通信モニターを開き、なのはへと連絡を取る。 こう言っては悪いが、いきなり現れてエースオブエースとまで呼ばれるような有名人に呼ばれたといわれても信用するのは難しい。 待つこと数十秒、モニターの向こうになのはの姿が映った。 「あ、高町教導官。あの実は、教導官に呼ばれたっていう男の人が来ているんですが……」 『男の人? その人って、灰色の長い髪をしてませんでしたか?』 「え? あ、はい。確かにそうでしたけど……」 その言葉になのはがしばらく考える。対する受付嬢は反応の無くなったなのはに怪訝そうな表情だ。 (もしかして、空港の時のあの人じゃあ……) 「あの……高町教導官?」 『あ、すいません。じゃあ、その人に待合室で待ってるように言ってくれませんか?』 受付嬢の表情が変わった。本当になのはに呼ばれていたのがそんなに驚くような事なのだろうか? とにかく、すぐに了承して通信を切り、グレイにその旨を伝えた。 「遅い……」 十数分後の待合室。グレイが暇そうな表情でそこにいた。 近くの本棚から本を取り出して読もうとするも、マルディアスとは文字が違うために読めない。 かといって剣の練習もこんな狭いところではできないし、術の練習もまた然り。 それ故に暇潰しすらできずに椅子に座っているほかなかった。他にできる事があるとすれば集気法で回復速度を上げるくらいか。 と、待合室のドアが開く。そこから現れたのはグレイにとっても見覚えのある女性だった。もっとも今は服装も髪型も違っていたが。 「えっと……怪我の具合はどうですか?」 「見ての通りだ。動ける程度には回復している」 まずはその女性、なのはがグレイの具合を聞き、それに答えを返す。 もっとも、動ける程度に回復したら来るよう言われていたので、ここに来ている時点である程度想像はつくのだが。 それを聞き、なのはがほっとしたような表情を浮かべて礼を言う。 「そうだ、あの時はありがとうございました」 急に礼を言われ、頭に疑問符を浮かべるグレイ。どうやら例を言われる理由がサッパリらしい。 どういうことか分からないので、なのはに直接聞くことにしたよう。 「……? 何の事だ?」 「ほら、あの時命がけでモンスターと戦ってたじゃないですか」 「その事か……あそこを出るのにあれが邪魔だっただけだ。感謝されるいわれは無い。 それより、俺を呼び出して何の用だ、高町教導官?」 グレイがそう聞くと、なのはの表情が変わる。今までの優しい顔から多少厳しい顔に。 「一つ、あなたにとって重要な話をするために呼びました」 話は空港火災の日まで遡る。 「なのはちゃん、ちょっと話があるんやけど」 「どうしたの?」 空港火災の日、そこで指揮を執っていた茶の短髪の女性『八神はやて』がなのはを呼び止めた。 表情からすると、何か真面目な話題なのだろう。いつになく真剣な顔である。 「まず、これを見てくれへん?」 そう言ってはやてが出したのは、空港内で確認された何かの反応のデータが映ったモニター。 それは人間だったりモンスターだったり、あるいは炎だったり色々である。 少しずつ時間を進めるような形でデータを進め、そしてある所で一時停止をかける。 「……ここや」 はやてが指差した箇所。その箇所には一秒前まで何の反応も無かった。一秒前までは。 だが、そこに突如人間一人分の反応が現れた。同じように転移の反応も同時に。 これが何を意味するか、理解に時間はかからない。 「え? これって、もしかして……」 「せや。転移魔法かそれとも次元漂流者かは分からへんけど、この時間に誰かがここに転移して来てるって事や」 そのまま再生ボタンを押し、その反応を追う。その反応はどうやら出口を探しながら移動しているようだ。 移動した軌道上のモンスターの反応は少しずつ減っていっている。その反応の主が倒したのだろうか? そしてある程度進んだ時点で再び一時停止。 「そして、この反応がなのはちゃんや」 そう言いながら、その反応の近くにある別の反応を指差す。どうやらこれがなのはの反応らしい。 近くには子供一人分の反応と、大物モンスターの反応もある。 「はやてちゃん、これ……」 なのははすぐに感づいたようだ。その反応の主の正体に。 そう言ったなのはに対し、はやても頷いて返した。 「これは多分、なのはちゃんが助けた灰色の髪の人の反応やろな」 そして、その詳細や目的を確かめるためになのはがグレイを呼び出し、今に至るという訳である。 「えっと……」 そういえばなのははグレイの名を知らない。そのため少し言いよどむ。 それを察したグレイが、自分の名を名乗った。 「まだ名乗っていなかったな。俺の名はグレイ」 「それじゃあ、グレイさん……ここは、あなたがいた世界ではありません」 この後の反応はなのはにも予想はできている。おそらく驚くか、あるいは現実を受け入れるのに多少考えるかの二択。 今までの次元漂流者の場合は、ほぼ全てがそのどちらかだったと、データで見たことがあったし、今まで見てきたのも大抵そうだったからだ。 だが、グレイの反応はそのどちらでもなかった。 「知っている。ミッドチルダだろう?」 その事に逆になのはが驚いた。 ここが異世界だと知っている上で、それで猶ここにいる。それはどういうことか。 いくつか思い当たる可能性はあるが、直接聞いたほうが早い。もしかしたら犯罪目的で違法に転移を行った可能性もある。 表情を若干厳しいものに変え、その疑問を口に出した。 「それはどういう事なんですか? 場合によっては、あなたを拘束しなければいけなくなるかもしれません」 これはどうやら、グレイがエロールから聞かされていた真相を話す必要があるようだ。というより、そうしないと面倒になりそうである。 意を決し、その真相を話した。 「――――俺が聞かされているのは、それで全部だ」 その話は、なのはにとっては信じがたい事であった。 何せ異世界の邪神が復活し始め、完全な復活のための力を蓄えるためにミッドチルダに来ているなどと聞かされても、どう反応すればいいのか分からない。 だが、グレイの目は嘘をついている目ではない。おそらくは真実なのだろう。 「じゃあ、一人でそのサルーインと戦っているんですか?」 相手が神だというのなら、一人で戦うのは無謀。なのに一人でいる……という事は、まさか一人で戦っているのだろうか。 なのははそう思い、グレイへと尋ねる。そして返ってきたのは否定だった。 「いや、仲間があと四人いる。この世界に飛ばされる時に散り散りになったようだがな。 ……そうだ、時空管理局……だったか? お前達の方で同じように見つけてはいないのか?」 飛ばされる時に散り散りになった四人の仲間。それがこの世界に来ているのならば、管理局の方で見つけているはず。 その事に一縷の希望をかけて同じように質問を返すが、なのはから返ってきたのは否定。 「……残念ですけど、あの日に転移してきたのはグレイさんだけでした」 「そうか……分かった」 やはり落胆しているのだろうか、グレイは声のトーンを幾分落として返す。 そうして次の瞬間には、席を立った。 「仲間を探す時間は無い。俺はサルーインを探しに行く」 それはあまりにもいきなりな事。そのせいでなのはは面食らい、のけぞる。 そのまま椅子ごと後ろに倒れるのを何とか踏みとどまり、何とかグレイを引き止めようとした。 あても仲間もないのに出発するという自殺行為を止めたいという一心で。 「待ってください! 出発するって言っても、あてはあるんですか?」 沈黙。 やはりあては無かったらしい。 「それに、相手は神なんですよね? 一人で戦って勝てる相手なんですか?」 さらに沈黙。 「あ、これは絶対無茶だ」という思考が頭を支配しているのだろう。だからといって他の手など思いつかない。 そういう事を考えていたグレイに対し、なのはがとある提案を持ちかけようとした。 「……グレイさん、管理局に協力する気は『なのはさん!』 が、急にオペレーターからの通信が入り、中断せざるを得なくなった。 「どうしたんですか?」 『例の海賊たちです! 次元航行艦が一隻襲われました!』 海賊? この世界にも海賊がいるのだろうか。 そのような疑問を浮かべるグレイを尻目に、通信で二言三言話したなのはが椅子から立ち上がる。 そしてグレイへと向け、謝罪の言葉を口にして部屋を飛び出した。 「ごめんなさい、グレイさん! 急ぎの用ができました! 後で続きを話すので、ここで待っててください!」 部屋に残されたグレイは、一人考えていた。 会話の内容からすると、その急ぎの用とは海賊退治だろう。 ならばある程度役に立つことはできるだろうし、何より待たされるのは御免だ。 そして結論……なのはに同行し、手を貸す。話の続きは移動中でも可能だろう。 その結論を出したグレイは、荷物袋から予備として持っていた武器『アイスソード』を取り出し、それを背に負って駆け出した。 戻る 目次へ 次へ
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南イタリア ネアポリス空港 両替所にて、クロノはある程度まとまった金を両替した。 「すまない、市内までタクシー代はどれくらいかかるだろうか?」 「4000~5000ってとこかね」 「そうか、ありがとう」 金を財布に入れ、もう一人の同行人の元に戻ると、札束の半分辺りを手渡す。 「おおよそ、10、20万あるはずだ、ある程度雑貨品も買い込む必要があるし足りなくなれば言ってくれ」 「お金の管理はちょっと苦手かも…ユーノ君お願い出来るかな?」 「いいけど、持つときは複数の場所に分けてね、スられた場合の保険に」 肩にフェレット、ユーノを乗せた高町なのは。いつもの制服ではなく私服なので、多少は周りに溶け込めていた。 「こういう服はあまり着た事無いから…ちょっと慣れないな」 「似合ってるよクロノ君、普通の人みたい」 「いや、普通の人だが」 対してクロノはいつもの執務官服ではなく、黒の上下に藍色のジャケットを羽織っていた。 二人とも少々大きめのスーツケースを引いている。ぱっと見は単なる旅行者以外の何物でもない。 「普段は普通に見られていなかったのか…」 「さて、タクシーで拠点に向かおうか、なのは」 がっつりと落ち込むクロノはあえて無視する。 「そ…そうだね…」 「ねえ、タクシー探してる?」 二人(と一匹)に声をかける者がいた。 「アルバイトでこれから帰る所だから安くしておきますよ…8000でどう?」 服は胸元がハートの様な形に開いた、暗い配色の…制服…だろうか? 輝く様な金髪の前髪を3つ丸めて束ねている、年の瀬はクロノより少し年上なのだろうか。 「厚意はありがたいが、ちゃんとタクシー乗り場で乗る事にするよ…流石にそこまで暴利ではね」 「く…クロノ君…」 なのはは物言いを多少咎めるのと同時にタクシー乗り場に目をやった。 乗り場にはかなりの長蛇の列、タクシーが来る時間の割合を考えると1、2時間で済むだろうか…? 「…あっちの客には声をかけないのか?」 「君達が断るなら…これから…、じゃあ、2000円ならどうかな?」 「…いきなり安くなったな」 「チップは無しなんだから、荷物は自分で助手席に積んでくれ、そっちのレディは別だけどね…」 「…わかった、それでいい…なのはは後部に荷物と一緒だ、僕は荷物を前に載せて後ろに」 「うん」 かなり大きめの荷物を前に乗せるクロノ。 「ちゃんと指定の場所まで送ってくれよ?僕らはただの観光客じゃないんだからな…」 「正直に送り届けますよ」 そして、なのはとクロノが後ろに乗り込もうとした時 「ただし、空のバッグだけを、ですがね」 車が急発進した。 「…ふぇぇ!?ま、まだ乗ってないよ!」 「早速か…やれやれ…誰も手をつけたがらないのも納得だ…」 「止めるよ!」 少年はバックミラーで二人の表情を確認した。呆気にとられて慌てる少女と頭に手をあてやれやれと首を振る少年。 だが、追ってくる様子すらない、奇妙に思ったが振り切ってしまえば此方の物だ。 「チャオ」 だが空港を抜けようとしたその時、車がガクン!!と前につんのめり、止まった。 タコメーターはエンジンの不調を訴えてはいない、ガソリンも十分。だがタイヤは地面を空回りするばかりで前に進まない。 「ユーノ君……凄い…」 「一瞬でこれだけのバインドを編んだのか…」 一般人には見えないが、二人には見えていた。周囲にあるガードレールや電柱に縦横無尽に絡まり車を二重三重に捕縛したチェーン・バインドが。 「僕だって一応修行してるんだよ、ま、奴への引導は二人にお願いするけど」 クロノは焦る事無くゆっくりと車に近づく。運転している少年はまだ車を弄っていた。 「言っただろう?ただの観光客じゃないって…」 声をかけ、助手席の扉に手をかけると、流石に感づいた様で少年は運転席から飛び出した。 「荷物だけ置いていけばいい、追う必要もない…」 当然、クロノはこの少年が計画が失敗した事でパニックと罪悪と敗北の表情をするだろうと思った。 しかし…彼はそのどの表情もしなかった…少年は微笑んでいるのだ…… ただ平然ともの静かに微笑んでクロノを見ていた……… その表情には『光り輝くさわやかさ』さえある様にクロノには感じられた………。 少年はそのまま、さっと踵を返し何処へと消えた。 「クロノ君、大丈夫?」 「ああ…だがちょっと奇妙な奴だった…しかし、」 「二人とも…後ろの二人がちょっと面白い事を話してる…」 クロノの話を遮ってユーノが割り込んできた。二人はそのまま聞き耳を立てるが旨く聞こえない。 「念話で聞こえる様にするよ…」 「案外万能なんだな…」 「ユーノ君の一族遺跡発掘のプロだからね、言語、念話関連は凄く得意みたいだよ」 話の内容を漏らさぬ様に、急いだユーノのお陰ですぐに声が聞こえてきた。 「…ョルノの奴エンストして失敗したみたいだぞ」 「あいつ、半分日本人のくせして日本の旅行者をだまそうとするからバチが当たったんだ」 「もっとも、あの髪の色じゃあジョルノ・ジョバーナを日本人とわかる奴はいないがな…」 「いや…染めたんじゃないらしいぜ、黒い髪だったのがここ最近、急に金色になったらしいんだ、妙な体質だな…」 「本人はエジプトで死んだ父親の遺伝と言っている…」 「ジョバーナ…?」 クロノは胸元から写真を取りだした、黒髪の少年で、此方の組織と取引している条件…体組織の採取するべき少年だ。 「ジョルノ・ジョバーナ…汐華初流乃………初ルノ…シォハナ…」 「それ…さっきの人なのかな?」 なのはに言われて、先程の男の顔と当てはめてみる、確かに似てはいるが、まだクロノには今ひとつ確信が持てない。 「わからん…組織とコンタクトをとってより情報が手に入れば良いんだが…」 「クロノ、ところで君の荷物は…?」 言われて助手席に目をやるが、先程確かに自分で助手席に積んだ筈のスーツケースだが、それが今は影も形も無い。 「無い…だがさっきの奴は何も持っては……?」 よく見ると、助手席のところに何かへばりついている。粘性のボールの様な『それ』は更に内部に何かが入っている。 「これは…僕の荷物…なのか!?」 先程のクロノのスーツケースについていた名札『黒野』と言う文字が中に見える。 しかしそれは何度か鼓動を脈打ちながら別の物に変化…いや成長してゆく。 『それ』は呆気にとられているクロノの目の前で生物に変わってしまった。 『カエル』に 「魔法なのか…聞いた事もないぞこんな魔法はッ!!」 カエルはぴょいっとクロノの手にのっかる、ペトリとした粘性の手足の感触、重量、それは蛙に他ならない。 「生き物だ…変化魔法の類や幻術でもない…本物のカエルだ…」 「で、でも…最初はスーツケースみたいだったし、生き物だとしたらクロノ君の荷物は…?」 狼狽える二人を尻目に、カエルはクロノの手を飛び降り、そのまま排水溝から下水へと消えた…。 「…なのは、すまないが別行動だ僕はあいつを捜してみる、拠点の住所は覚えているだろう?そこに向かっていてくれ…なのはを頼むぞユーノ」 「はいはい」 「あまり無理しないでね…」 クロノはそのまま、市街へ向かって駆けだしていった。 「で、どうしようか、なのは」 「地図で見ると…少し歩くけどケーブルカーがあるみたい…そっちの方が良いかな」 二人は流石にこれからタクシーに乗る気は起きなかった。 ジョルノ・ジョバーナを探しに市街方面に向かったクロノだったが、その本人はまだ空港敷地内にいた。 滑走路の外れ、離陸する飛行機を眺めているジョルノ、待ち合わせしている様にもみえる。 相手はすぐに現れたようだ。先程のカエルが側の排水溝から、ジョルノの手の上に飛び乗った。 「よし…」 そのカエルは見る間に膨れあがり、先程のクロノのスーツケースへと戻った。 その場で中身を改めるジョルノ、だが容量の割に中身は少なく金になる物はせいぜい衣類か宿泊セット、目的のパスポートや財布は鞄の中ではなかったようだ。 「……やれやれ…無駄骨か…これだから無駄な事は嫌いなんだ、無駄無駄…」 前へ 目次へ 次へ
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トーマ一行 トーマ・アヴェニール リリィ・シュトロゼック アイシス・イーグレット スティード 管理局特務六課 高町なのは スバル・ナカジマ フェイト・T・ハラオウン ティアナ・ランスター エリオ・モンディアル キャロ・ル・ルシエ 八神はやて シグナム ヴィータ シャマル ザフィーラ リインフォースⅡ アギト シャリオ・フィニーノ アルト・クラエッタ ルキノ・ロウラン フッケバイン ヴェイロン アルナージ サイファー ドゥビル フォルティス ステラ・アーバイン カレン・フッケバイン トーマ・アヴェニール(一人称:俺) リリィ:リリィ アイシス:アイシス スティード:スティード、相棒(バディ) スバル:スゥちゃん ティアナ:ティアさん アルト:アーちゃん チンク:チンク姉 ノーヴェ:ノーヴェ姉 ヴェイロン:ヴェイロン サイファー:サイファー ドゥビル:ドゥビル フォルティス:フォルティス ステラ:ステラ リリィ・シュトロゼック(一人称:わたし) トーマ:トーマ アイシス:アイシス スティード:スティード スバル:スゥちゃんさん アイシス・イーグレット(一人称:あたし) トーマ:トーマ リリィ:リリィ スティード:スティード スバル:スゥちゃんさん アルナージ:アル パフュームグラブ:パフィ スティード(一人称:私) トーマ:トーマ なのは:高町教導官 高町なのは(一人称:わたし) スバル:スバル ヴィータ:ヴィータちゃん はやて:部隊長 ヴィヴィオ:ヴィヴィオ レイジングハート:レイジングハート スバル・ナカジマ(一人称:あたし) トーマ:トーマ なのは:なのはさん エリオ:エリオ フェイト・T・ハラオウン(一人称:私) トーマ:トーマ スバル:スバル ティアナ:ティアナ、ティアナ執務官 エリオ:エリオ ティアナ・ランスター(一人称:あたし) シグナム:シグナム一尉 アギト:アギト フェイト:フェイトさん エリオ・モンディアル(一人称:僕) トーマ:トーマ スバル:スバルさん ヴィータ:ヴィータ教導官 キャロ・ル・ルシエ(一人称:わたし) 八神はやて(一人称:私) なのは:高町一尉 スバル:スバル フェイト:フェイト執務官 エリオ:エリオ ヴィータ:ヴィータ リイン:リイン ルキノ:ルキノ シグナム(一人称:私) アギト:アギト ヴィータ(一人称:あたし) バルディッシュ:バルディッシュ シャマル(一人称:私) ザフィーラ(一人称:私) リインフォースⅡ(一人称:私、リイン) はやて:司令 アギト(一人称:あたし) シグナム:シグナム レヴァンティン:レヴァンティン シャリオ・フィニーノ(一人称:私) アルト・クラエッタ トーマ:トーマ スバル:スバル ルキノ・ロウラン トーマ:トーマ ヴェイロン(一人称:俺) トーマ:クソカス、バカガキ、チビカス アイシス:メスガキ アルナージ:アル サイファー:サイファー ステラ:ステラ カレン:カレン、姉貴 アルナージ(一人称:あたし) アイシス:ぺったん胸 ヴェイロン:ヴェイ兄 ドゥビル:ビル兄 フォルティス:フォルティス ステラ:ステラ サイファー(一人称:私) リリィ:破損プラグ シグナム:公僕 ヴェイロン:ヴェイ ドゥビル:ビル ステラ:ステラ ドゥビル(一人称:俺) ヴェイロン:ヴェイ フォルティス(一人称:僕) トーマ:トーマ君 ヴェイロン:ヴェイロン アルナージ:アル サイファー:サイファー ドゥビル:ビル ステラ:ステラ カレン:カレン ステラ・アーバイン(一人称:わたし) トーマ:トーマ君 ヴェイロン:ヴェイお兄ちゃん フォルティス:フォルティス カレン:お姉ちゃん カレン・フッケバイン(一人称:私) はやて:特務のお嬢ちゃん アルナージ:アル サイファー:サイファー ステラ:ステラ
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「それでは、フェイトちゃんの嘱託魔導師試験合格を記念して・・・」 「乾杯!」 アースラ艦内では、本局で試験を終えたフェイトのささやかな祝賀会が開かれていた。最低限のオペレーター以外は食堂に集合し、そ の主役のフェイトはその中で恥ずかしそうにしつつ、皆に持ち上げられていた。 「あ・・・ありがとございま」 「飲めー!歌えー!騒げー!デストローイ!!!」 「ハイ、ハイ、ハイハイハイハイリンディ提督のちょっといいトコみてみたーい!!!」 「YEAAAAAAAAAAAAAAAAAAHUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!」 ささやかと言うには騒ぎ過ぎである。この艦の理性でもあったクロノ・ハラオウンがいないと言う事はこれほどまでに混沌を呼ぶのか。 「どーしたのー?フェイトちゃんの為の宴なのに~」 「リンディ提督、いえ、その・・・うわ、酒臭」 「ぶふ~ん、リンディママに全部話して御覧なさ~い、っていうかなのはちゃんでしょ~?」 「・・・はい」 その時、通信音が響き、ヘッドセットをつけっぱなしのエイミィが出た。 「はいはい~ああ、クロノ君?」 通信に応対するエイミィのさりげない言葉に戦慄が走り、全員が一瞬で凍りつく。 「うん、今フェイトちゃんの試験終わって・・・え?組織の人と連絡取りたい?わかった・・・最寄の電話ボックスと組織の人を繋ぐから」 「組織・・・?」 フェイトがリンディに怪訝な顔をして尋ねる。リンディは少々顔を引き締める。 「ええ・・・クロノとなのはちゃんには今、捜査の依頼が来ていたからそちらに向かってもらっていたの、後数時間で定期連絡が来るだろう し、その時に一度戻ってもらうように言っておきましょうか?」 「いえ・・・大丈夫です、ですが」 フェイトは真っ直ぐにリンディを見つめ、言った。 「私の方から会いにいきます」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ネアポリス市内のケーブルカー 車掌の笛の音が響く。 「ふぇぇー!!待ってぇ!待ってください!」 ドアが閉まりきる前に間一髪滑り込んだなのは、周りの乗客の注目の的となり、軽く誤魔化し笑い。 「危なかったぁ・・・」 「もう少し待ってくれてもいいよね・・・外国の交通はしんどいよ・・・」 席を探すなのはとユーノだがその最中とんでもない人物を見つけてしまった。 「あ」 「あ」 「あ」 先程空港で自分達を騙した人物・・・ジョルノ・ジョバーナと聞いた彼がボックス席にいた。 「えと・・・座ってもいいですか?」 「え?いや、ああ、どうぞ・・・」 ジョルノと向かい合って座るなのは、荷物は通路側に置く。なのはの横の座席にユーノがちょこんと座る。 「君は・・・いや、覚えてないのか・・・?」 「さっき、空港で会った、ジョルノ・ジョバーナさんですよね?」 「・・・ああ、そうだけど・・・」 「荷物・・・無いんですか・・・」 若干落胆した顔を見せるなのは、ジョルノはそこで話を切り出す。 「その・・・さ、こう言うのは何だけど君は危機感が足りないように思えるんだ、僕が泥棒まがいの事をしていると知っているならわざわざ近寄ったりしないと思うし、荷物だって抱えて持つほうが安全じゃないか?」 「じゃあ、また盗むんですか?」 流石のジョルノも頭痛を覚えた。 「出来るなら今やってみてください」 「(なのは・・・ちょっと怒ってる・・・?)」 「(うん)」 念話での会話すら・・・いや、念話だからこそなのはの静かな怒りが伝わってきた。元よりなのはは曲がった事が嫌いであった、如何なる 理由があっても、どんな境遇であろうと、犯罪に手を染める事を許せない、頑固で真っ直ぐな性格であった。 「出来るのなら今すぐに、盗んでみてください」 「・・・なら、遠慮無く」 ジョルノは即座になのはの荷物を掴む、だが、そこまでだった。 「これは!?重い・・・!!」 出発前 「はいこれ、なのはちゃんは女の子だから色々入れなきゃいけないでしょ?盗まれたりするかもしれないし、特性のスーツケースを用意したのよ」 「なのはちゃんの魔力波動を登録すれば他の人には開けるどころか持つ事すら出来ないようにしてみたよ、開けっ放しには注意してね」 「ありがとうございます、エイミィさん、リンディさん」 「提督・・・僕には・・・」 「それじゃあいってらっしゃい」 「・・・はい・・・」 ジョルノは自分の判断が間違っていた事に気付いた。 この少女は・・・危機感が無いのではない。 危機感を持って、あえてこの場所にいるのだ・・・と 「そうか、お前がジョルノ・ジョバーナか・・・」 そんな中、唐突に話しかけてくる男がいた。ケーブルカーの上の方からゆっくりと歩いてくる、おかっぱ頭の男。 「・・・あんた、誰です?」 「あ、すみません、今ちょっと取り込み中なのでお話なら後にして・・・」 なのはの言葉が途切れる、そばで見ていたユーノは男がなのはに向かって手を突き出したのを見た。 「すまないが・・・ちょっと話したい事があってね、少し時間をもらうよ」 男がすぐに手を離した、にも拘らずなのはは口を塞がれたかの様に呻いている。 「むぐッ!?むぐう!!?」 『ジッパー』がなのはの口に縫い付けられている所為で喋れないのだ。 「ば、馬鹿な!?こんな事が・・・」 「ジョルノ・ジョバーナ、率直に聞きたい・・・このような能力を使う者を見た事は無いか?」 「この様な・・・他にも能力を持つ者がッ!!」 殴った。振り下ろすような拳がジョルノの顔を打ち抜く。 「質問はいらない、ただ答えればいい・・・ここ数日ギャングの中で腕に心得のあるやつが連続して狙われている・・・俺の仲間もその襲撃にあっている、それはどうやら特異な能力を持った奴らが、何らかの目的で集中してここ一帯を狙っている・・・という事なんだ・・・」 「・・・」 「お前が空港周辺で稼いでいるのは知っている・・・だから、妙な奴が来たなら一番お前が詳しいと思ってな・・・」 「・・・魔術士連続襲撃事件か」 「(ゆ、ユーノ君!)」 男が声の方向に向き直る、しかしフェレットであるユーノを当然無視してなのはへと。 「今のは君の声かい?オカシイ、な?口を閉じているのに喋るなんて・・・それに何やら・・・連続襲撃事件と聞こえたが気の所為かい・・・?」 「(ごめんなのは・・・!!)」 「・・・」 なのはは何も言わずじっと堪えた。男はそれを恐怖で緊張していると感じ取ったのか、少し優しい口調で 「じゃあ一つだけ答えてくれないかな・・・?俺の言ったギャングが連続して狙われている事件について、君は心当たりがある・・・イエスかノーか首を動かして答えてくれ」 イエスと応じれば、当然更なる追及を受けるだろう。 ノーと応じれば・・・解放してはくれないだろう、解放してくれたとしても背後関係を洗われる。 どちらも選べない状況で逡巡するなのは、顔に一筋流れる汗を ベロンッ! 男が舐め取った。 「!!??!?!?」 「(こいつ・・・!!)」 「・・・」 「俺ね・・・人が嘘をついてるかどうか汗の味で解るんだ・・・この味は答える事に嘘・・・つまり答える事を隠したい・・・って事」 今度はなのはの肩口から二の腕の辺りまでがジッパーで大きく開かれた。 「ムゥー!!ムグゥー!!」 なのははすっかり気が動転していた。無理も無い、こんな身の危機では成人男性ですら悲鳴を上げて逃げ出す程だ。 「もう少し、話を聞く必要があるようだな・・・俺の名はブローノ・ブチャラティ・・・あまりにだんまりが続くようなら質問を『拷問』に変える必要があるぜ・・・」 「(なのは!!目くらましと解呪をセットでぶつける!!この場は脱出だ!)」 念話の声に理性を取り戻すと同時に、閃光弾の様な光が炸裂した。 「ぐぅっ!!?」 「うああッ!!」 ジョルノとブチャラティが目を押さえて仰け反る。 解呪によって身体のジッパーが無効化した事を確認すると、脱出経路を探そうと目を走らせた刹那、なのはに見えた。 『Protection』 窓の外で鉄槌を振りかぶる少女の姿が 「おらあああぁぁぁ!!!!」 窓ガラスを突き破って来た少女の鉄槌がなのはのプロテクションに食い込み・・・ぶち破った。 衝撃でそのまま反対側の壁まで吹っ飛ばされるなのは 「っかはっ・・・」 瞬時にバリアジャケットを展開していなかったら壁に叩きつけられて気絶していただろう・・・同時にレイジングハートを展開し、対峙するなのは。 「誰なの!?」 「命はもらわねぇ・・・おとなしくやられてくれ」 to be continue・・・ 前へ 目次へ 次へ
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新暦71年4月29日、この日、ミッド臨海空港が炎に包まれた。 それは初めは小さな火だったが、すぐに建物全てに燃え広がる業火と化した。 炎は逃げ遅れた人々を遠慮なく焼き、その命をデスの下へとへと引きずり込む。 この青い髪の少女『スバル・ナカジマ』もまた、その炎に包まれた空港の中にいた。 「お父さん……お姉ちゃん……」 スバルは泣いていた。 父を求め、姉を探し、既に火の海と化している空港内を彷徨いながら、ただ泣いていた。 死の恐怖や孤独、もちろんそれも泣いている理由には含まれるが、他にももう一つ理由がある。 先程炎の中で一瞬だけ見えた、炎を纏った人型の巨大な何か。それが辺りに火をつけながら移動するのを確かに見た。 おそらくあれが、ミッドチルダで最近確認され始めた異形……モンスターなのだろう。 モンスター達が多くの人々を殺す。その事実がスバルが泣くのに拍車をかけている。 自分も殺されるのだろうか? 瓦礫の爆発がスバルを吹き飛ばしたのは、ちょうどそんな事を考えていた時であった。 爆風は子供を吹き飛ばすには十分すぎるほどの威力。その爆発によって、スバルは天使像の正面まで吹き飛ばされた。 「痛いよ……熱いよ……こんなのやだよ……帰りたいよぉ……」 スバルはただ、泣いていた。 光がやみ、次にグレイが見たものは辺りを焼き払う炎。 彼は辺りを見回し、落ち着いて自分の今置かれている状況を確認する。 まず理解したのは、ここが建物の中だということ。広さはミルザブールの街にあった城と大体同程度だろうか。 次に理解したのは、どうやら今は何らかの理由で火事になっているということ。 真っ先にイスマス城での事件を思い出すが、あれはモンスター軍団の襲撃によるもの。これとはおそらく無関係だ。 続いて装備を確認。自分が使っていたディステニィストーン『邪のオブシダン』と『水のアクアマリン』がなくなっていた以外は万全の状態だ。 そして最も重要なこと……一緒に来たはずの仲間が周りにいないということを理解。 転移の時に事故でも起こって散り散りになったのか、それともグレイから見えないだけで近くにいるのか。今はそれを確認できる状況ではない。 「……全く、エロールもふざけた事をしてくれる」 とにかく出口を探すべく、すっかり手に馴染んだ古刀を手に歩き出した。 Event No.01『ミッド臨海空港』 ピシィッ。 天使像の根元にヒビが入る。それも不幸なことに傾いている方向は正面……すなわち、スバルのいる方向だ。 だが、当のスバルはそれに一切気付かない。今もこの場で泣き続けている。 「助けて……誰か、助けて!」 ここにはいない誰かへと助けを求めるが、それを聞き届けられる者は誰もいない。 さらに悪いことに、それを嘲笑うかのようにヒビが像の表面へと面積を広げていく。そして―――――ビキィッ。 スバルが音に気付き、後ろを見る。そしてその目に自分への直撃コースで倒れてくる像を見た。 自分の死が確実になっていると本能で理解し、とっさに目をつぶってうずくまる。そんな事をしても何にもならないと分かっているのに。 そして、その像はスバルを―――― 【レストリクトロック】 ――――押し潰さなかった。 「よかった、間に合った……助けに来たよ」 いくつもの光の輪が、倒れこむ天使像を縛り上げて落下運動を封じる。 その後ろ上方には、白い服に身を包んだツインテールの女性……『高町なのは』の姿。彼女の使った魔法が像を止めたのである。 そしてなのははスバルの所まで下りていくと、優しく笑ってスバルを安心させる。 「よく頑張ったね、えらいよ」 死を覚悟したときに来てくれた助け。それはスバルの緊張の糸を切り、再び泣かせるのには十分だった。 但し、今度の涙は先程までのものとは全く違い、恐怖ではなく安堵で流したものだが。 「もう大丈夫だからね……安全な場所まで、一直線だから!」 『上方の安全を確認』 防御魔法『プロテクション・パワード』で護られたスバルを背に、なのはが愛杖『レイジングハート』を構える。 レイジングハートが上空を確認。彼女(AIが女性の人格なので、彼女としておこう)が言うには、上は安全。 それはつまり――――思い切りブチ抜いても問題は無い、という事だ。 「レイジングハート、一撃で地上まで撃ち抜くよ!」 『All light. ファイアリングロック、解……』 空港の天井をブチ抜くべく、デバイスの制限であるファイアリングロックを解除しようとする。 だが、その寸前にレイジングハートが何かの反応を検知。一瞬の後にはその正体を理解し、なのはに報告していた。 『マスター、人間とモンスターの反応を確認しました』 「え!? レイジングハート、数と方向は?」 『数はそれぞれ一つずつ。うち一つはあの少女のいる方向から接近していまs「グオオオォォォォォォ!!」 レイジングハートがそれを言い終える頃には、既にそのモンスターが近くまで来ていた。 魔族系モンスターの中でも高位に位置する炎の魔人『イフリート』。それがそのモンスターの名だ。スバルが見たモンスターというのもこいつである。 「あ、ああ……」 スバルの顔に恐怖が蘇り、へたり込む。 だが、そんな事など知らぬとばかりにイフリートが拳を振り上げた。 【ヒートスウィング】 拳を思い切り横に振り抜き、炎を纏った拳撃を放つイフリート。それを見たスバルは反射的に目をつぶる。 だが、どうやら今日のスバルは「潰されそうになるが潰されない」というパターンに縁があるらしい。 あらかじめなのはが張っていたプロテクション・パワードがスバルを護る。いくらイフリートの攻撃でも、さすがに一発や二発では壊れはしない。 「グルルルゥゥゥ……」 防がれたことを本能で理解するイフリート。どうやらかなり苛立っているようだ。 だが、執念深いモンスターはその程度では諦めない。再び拳を振り上げる。 どうやら一度で駄目なら壊れるまで叩くつもりのようだ。 そして再び―先程までは気付かなかったが、斬撃の痕がついた―拳を振り下ろした。 「させない! アクセルシューター……」 それを視認したなのはが、すぐさま自身の周囲に光弾を形成。その数、およそ十。 目標、スバルへとヒートスウィングを繰り出そうとするイフリート。光弾の発射準備完了。 「シューーーート!」 そして、一斉発射。 その光弾は狙い過たず(外れていたとしても遠隔操作できるが)イフリートへと接近し、そして―――― 【アクセルシューター】 【強撃】 まるで示し合わせたかのようなタイミングで、なのはの魔法ともう一つの反応の主……グレイの斬撃が決まった。 時間は少し遡る。 グレイはこの世界に着いてから、ずっと空港からの出口を探していた……が、一向に見つからない。 まあ、彼はここの構造を知らない上に、出口に繋がっているであろう道も炎や瓦礫で閉ざされているのだから当然ではあるのだが。 おまけにマルディアスにいた炎関連のモンスターまで襲い掛かってくるのだから、そのせいでさらに時間が浪費される。 ……と、またモンスターが近寄ってきた。外見からしておそらくはイフリート。だとすればかなり厄介な相手である。 幸い、以前戦った時にイフリートは聴覚で相手を探しているということを知ったので、やりすごすのは楽だ。一対一でこんなものの相手をするのはかなり骨である。 息を殺し、身を潜め、イフリートが通り過ぎるのを待つ。そしてイフリートが通り過ぎ……る前に、あるものを発見。 グレイがその目に捉えたのは、泣きじゃくるスバルの姿。悪いことにイフリートの進行方向にいる。 彼は必要とあらば人殺しすら厭わない性格だが、さすがに目の前で子供が襲われるのを見過ごすほどの冷血漢ではない。 【光の腕】 だからこそ、刀からの光線をイフリートめがけて放った。 それは見事に直撃し、さらに着弾箇所がパァンと起爆。イフリートを怯ませる。 この行動は、スバルが助かったという意味では吉だったが、グレイにとってはおそらく凶。今のでイフリートに気付かれてしまった。 戦闘開始である。 【払い抜け】 先手を取ったのはグレイ。刀を構え、素早く横をすり抜けるように斬りつける。 そしてその勢いに乗ったまますぐに離脱。何せ相手がどれ程の怪力かは身をもって知っているのだ。喰らったら到底ただでは済まない。 ふと、熱と焦げ臭いにおいを感知。発生源である右腕を見ると、火がついていた。 「ちっ……なるほど、セルフバーニングか」 火を消しながら、この火の原因を理解する。そういえばイフリートは常時火の防御術である炎のバリア『セルフバーニング』を張っていた。 幸い火のダメージも、皮膚の表面が少し焼けただけで大したことはない。 いずれにせよ、下手に近付けばセルフバーニングで焼かれる。ならば離れて光の腕などで攻撃すべきか? そう考えていると、いつの間にかグレイの体が宙に浮いていた。そのままイフリートの正面へと引き付けられる。 (まずい……!) グレイは何度かこの技を見ていたし、受けたこともあったからその正体を知っている。 この技は高位の大型魔族が扱う大技『コラプトスマッシュ』。簡単に言えば目の前まで相手を浮かせ、ラッシュを叩き込むという技だ。 だからこそ、すぐに離れようとするが体が動かない。どうやら念力か何かで引き寄せているようだ。 【コラプトスマッシュ】 ズドドドドドドドドドォン! グレイの体にイフリートからのラッシュが入る。一発だけでも相当の威力があると音で分かるような打撃だ。並の人間なら軽く死ねるだろう。 そのままラッシュの勢いを殺さずにグレイを放り投げ、空港の床へと叩きつけた。その箇所を中心にしたクレーターの出来上がりである。 これで死んだだろうと思ったのか、イフリートがグレイへと背を向けてスバルの方へと歩いていった。 だが、イフリートは一つ大きな誤算をしていた。 「まだ、だ」 それは、グレイがこれで死ぬほどやわではないということ。 確かに普通ならこれで死んでいた。だが、グレイは長旅の間に大いに鍛えられていたのだ。それこそイフリートのような高位モンスターとも真っ向から戦える程に。 もっとも、これでダメージが少ないという訳ではない、というかむしろかなりのダメージを受けているのだが。 イフリートはそんなグレイに気付かず、スバルへと接近。そして咆哮。ヒートスウィングを繰り出すが、それはプロテクション・パワードで止められた。 一方のグレイは刀を杖代わりにして立ち上がり、再び構えてイフリートへと駆ける。 そして、イフリートが二発目のヒートスウィングを放とうとした時―――― 【アクセルシューター】 【強撃】 全くの偶然だが、なのはの攻撃と同時に強烈な一撃を見舞った。 「人……? レイジングハート、もしかして」 『先程キャッチした反応と一致。どうやら彼があの反応の主のようです』 なのはがグレイの姿を見て、先程のレイジングハートの報告を思い出す。そういえば人間とモンスターの反応が一つずつと言っていた。 すぐにその事を問うと、返ってきたのは肯定の意。どうやらもう一つの反応の主はグレイで間違いないらしい。 手に持っている刀と状況から察するに、おそらくイフリートの腕に斬り傷を付けたのも彼だろう。 そのような事を話している間にグレイがなのはに気付き、言葉を発する。 「あの子供とは別の人間だと……?」 グレイが知る限りでは、先程までなのはの姿は無かった。それなのにここにいる。 ならばスバル同様にここに迷い込んだか、もしくは何かの目的があってここに乗り込んできたか、である。 この火災を起こした張本人という可能性も一瞬考えたようだが、それを考え出すとキリがないのですぐに切り捨てた。 それに……今はそんな事を考えている場合ではない。なぜなら、 【ヘルファイア】 イフリートはこの二人の思考が終わるのを待つほど律儀な相手ではないのだから。 なのはとグレイ、この二人からの攻撃はイフリートをキレさせるには十分。怒りに任せて火炎弾を放った。 グレイはこうなることも予想していたのか、重傷の体にムチ打って回避する。 【プロテクション・パワード】 一方のなのはも、すぐさまプロテクション・パワードを展開。ヘルファイアを受け止めた。 このバリアはヒートスウィングでも受け止められる程の強度を持つ。ならば最下級クラスの攻撃術くらい、防げない道理は無い。 「魔法盾だと? イージス……いや、セルフバーニングか?」 それを見たグレイが驚く。このような術はマルディアスでは見たことが無い。 一瞬セルフバーニングや盾を作り出す土の防御術『イージスの盾』が頭に浮かぶが、どちらとも全く違う……ならばこの世界特有のものだろうか? いずれにせよ、こんな事を考えている場合ではない。それよりもイフリートをどうにかする方が先だ。 炎の中で炎の魔物を相手にする事ほどの下策は無い。外に放り出せば少しはマシになるだろう。 だが、グレイ一人では到底無理だ。今の満身創痍の状態はもとより、万全の状態でも厳しいだろう。 キレたイフリートの打撃を避けながら、どうやって放り出すかを考える。クリーンヒットを喰らうのと策を思いつくのでどちらが先かと思いながら。 【アクセルシューター】 「アクセルシューター、シュート!」 声とともに形成された五つの光弾が、イフリートの背に突き刺さる。声の主はなのはだ。 イフリートの出現により救助が遅れているので、いいかげんに何とかしないとここにいる二人も助けられないと思ったのだろうか。 そのままカートリッジをロードし、さらなる光弾を形成して立て続けに撃ち込む。何度も撃ち込めばさすがに参るはずだ。 ちなみに遠くからの攻撃なのでセルフバーニングの影響は無い。セルフバーニングで防げるのは炎のみなのである。 これらの攻撃は確かに効果はあった。だが、それは同時にイフリートの怒りを増幅させる。 次の瞬間、なのはの動きが止まった。その体勢のまま浮き上がり、イフリートの前へと引っ張られる。 これはもしかしなくてもコラプトスマッシュの予備動作。このままいけば徹底的にボコボコにされるだろう。 結果だけ言えば、なのははボコボコにはされなかった。 【かぶと割り】 初撃が打ち込まれる前に高く跳んだグレイが、そのまま頭をかち割るかのような一撃を見舞ったのだ。この体のどこにそんな力が残っているのだろうか。 さすがにこれには参ったのか、イフリートの束縛が外れる。その隙に距離を取った。 さらにその近くにグレイが着地し、なのはが礼を言うより前に問うた。 「おい、奴を遠くに吹き飛ばす術はあるか?」 「え……はい、それならいくつか持ってます(術……? 魔法のことかな?)」 術という聞き慣れない単語に首をかしげるも、おそらく魔法のことだろうと思って返事をする。 なのはの持つ魔法には『ディバインバスター』や『スターライトブレイカー』といった砲撃が存在する。これならばイフリート相手でも遠くへ吹き飛ばすくらいはできそうだ。 そしてその答えに満足したのか、グレイは先程思いついた策を話した。 「あの人達も、モンスターと戦ってくれてる……なのに、私は……ッ!」 スバルは未だ、泣いていた。但し、先程までの恐怖とも安堵とも違う理由で。 あの二人はあんな大物モンスターと戦っている。それも、なのはの方は間違いなく自分を助けるために。 それなのに自分は何も出来ない。それが悔しくて泣いているのだ。 もちろん、何の力も無い自分が行っても一撃でハンバーグにされるのは目に見えている。だが、それでもだ。 「もう嫌だよ、泣いてばかりなのも、何もできないのも……」 【腕力法】 気の補助術『腕力法』で腕力を高め、疾駆。後方ではなのはが杖の先端に魔力のチャージを始めている。 このまま斬りかかって来るかと思ったのか、イフリートが腕を横薙ぎに振るおうと構える。 が、その腕は結果的に空中を空振ることになった。 グレイが床に刀を突き立て、結果的にそれが軽いブレーキとなって減速。結果、そのままなら命中するはずだった腕はむなしく空を切った。 そして、それが大きな隙となってイフリートの命運を決めることとなった。 【天狗走り】 床から刀の切っ先が離れ、それが大きな反動を生む。 そして反動は巨大な運動エネルギーを生み、イフリートの体を直撃した。 エネルギーをその身で全て受け止めることになったイフリートは当然耐えられるはずもなく、空高く舞い上がった。 命中と同時に左腕が燃え上がるが、すぐに腕を振って鎮火する。 そして、その時こそがなのはの待っていた好機。すぐさまレイジングハートを空中のイフリートへと向け、そして叫んだ。 「ディバイィィィーーン…… 【ディバインバスター】 ……バスタァァァァァーーーーーー!!」 閃光。 レイジングハートの先端に集められた魔力が、光の砲撃となってイフリートへと飛ぶ。 砲撃はそのままイフリートを飲み込み、それだけでは飽き足らず天井をブチ抜く。 その結果、天井にはそのまま脱出路に使えそうな大穴が空いた。姿の見えないイフリートはおそらくそこから放り出されたのだろう。 一方の外……正確には空港付近の海面。 「グギャアアアアアアァァァァァァァ……」 海上へと浮かび、これから地獄に堕ちるような悲鳴を上げるイフリートがいた。 イフリートの体は大部分が炎でできている。それが大量の水でできている海に落ちたとすればどうなるか? 答えは簡単。今のイフリートのように体の炎が消え、そのままあの世へと逝く、である。 そうしてイフリートは消えていく体の炎とともに命も消した。 「こちら教導隊01、エントランスホール内の要救助者、女の子一名と男性一名を救助しました」 空港上空。なのはがグレイとスバルの二人を抱えて飛んでいる。ちなみにグレイの意識は無い。 コラプトスマッシュを喰らってボコボコにされ、さらにそこから無茶な戦闘。気の回復術『集気法』を使う間もなく気絶するのは無理もないだろう。 そして二人を抱えているなのはだが、その状態でも平気な顔をしている。一体どこにそんな体力があるのだろうか? 『ありがとうございます! でも、なのはさんにしては時間がかかりましたね』 相手の通信士がはずんだ声で答える。が、それと同時に疑問を返した。 救助に向かったのはエースオブエースとまで呼ばれる程の腕利きの魔導師。それにしては少し救助に時間がかかっている。 大方、要救助者がなかなか見つからなかったのだろうと思った通信士だが―――― 「……中にモンスターがいたんです。多分、かなり強力な」 ――――全く予想もしない形で返された。 『モンスター!? 何でそんなものが空港に……』 いくつかの疑問が浮かぶが、とりあえずそう聞き返す。 それに対し、なのはが返したのは沈黙。彼女にも理由などというものは分からない。 「……とにかく、西側の救護隊に引き渡した後、すぐに救助活動を続行しますね」 そう言うと、なのははすぐに救護隊の元へと飛んでいった。 戻る 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 第8話 【願い、ふたりで】 スバル「私達は、ずっと一緒にやってきた。辛い時も苦しい時も楽しい時も… 支えあって、助け合って…一緒に戦ってきた。大好きな友達!っていうと怒るけど、 私にとっては夢への道を一緒に進む、大切なパートナー。失敗も躓きも後悔も一緒に背負う。 だから、一緒に立ちあがろう?魔法少女リリカルなのはStrikerS…始まります」 なのは「えっと…。報告は以上かな。現場検証は調査班がやってくれてるけど、皆も協力してあげてね。 しばらく待機して何もないようなら、撤退だから」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「はい!!」 なのは「で。ティアナは……。ちょっと、私とお散歩しよっか?」 ティアナ「あっ……はい…」 なのは「失敗しちゃったみたいだね」 ティアナ「すみません。…一発…それちゃって…」 なのは「私は現場にいなかったしヴィータ副隊長に叱られて、もうちゃんと反省してると思うから、 改めて叱ったりはしないけど」 なのは「ティアナは時々、一生懸命すぎるんだよね。それでちょっと、やんちゃしちゃうんだ」 なのは「でもね。ティアナは一人で戦ってるわけじゃないんだよ。 集団戦での、私やティアナのポジションは前後左右、全部が味方なんだから」 ティアナ「……!!」 なのは「その意味と今回のミスの理由、ちゃんと考えて同じことを二度と繰り返さないって…約束できる?」 ティアナ「はい」 なのは「うん。…なら、私からはそれだけ」 なのは「約束したからね」 ティアナ「……はい」 キャロ「えっと…シャーリーさん?」 シャーリー「はいな~?」 キャロ「フェイトさんと一緒にいらっしゃる方、考古学者のユーノ先生って伺ったんですが」 シャーリー「そう!ユーノ・スクライア先生。時空管理局のデータベース、 無限書庫の司書長にして古代遺跡の発掘や研究で業績を上げてる考古学者。 局員待遇の民間学者さんっていうのが、一番しっくりくるかな~。なのはさん、フェイトさんの幼馴染なんだって」 キャロ「はぁ~」 ユーノ「そう…。ジュエルシードが…」 フェイト「うん…」 フェイト「局の保管庫から地方の施設に貸し出してて…そこで盗まれちゃったみたい」 フェイト「まあ、引き続き追跡調査はしてるし、私がこのまま六課で事件を追っていけば… きっと、たどり着くはずだから」 ユーノ「フェイトが追ってる、スカリエッティ…」 フェイト「うん……でも、ジュエルシードをみて、懐かしい気持ちも出てきたんだ。 寂しいさよならもあったけど、私にとっては、いろんなことの始まりのきっかけでもあったから」 なのは「今日は…偶然なのかな?」 ヴェロッサ「僕も何か手伝えたらいいんだけどね」 はやて「アコース査察官も遅刻とサボリは常習やけど、基本的には忙しいやん」 ヴェロッサ「ひどいや」 ヴィータに「ちょっといいか?」 ヴィータ「訓練中から時々気になってたんだよ、ティアナのこと」 なのは「うん」 ヴィータ「強くなりたいなんてのは若い魔道師なら皆そうだし、無茶も多少はするもんだけど、 時々ちょっと度を超えてる。あいつ…ここに来る前、何かあったのか?」 なのは「うん……」 キャロ「ティアさんの…お兄さん?」 スバル「うん。…執務官志望の、魔道師だったんだけど。ご両親を事故で亡くしてからは、 お兄さんが一人でティアを育ててくれたんだって。だけど…任務中に…」 キャロ「亡くなっちゃったんですか?」 スバル「ティアがまだ…10歳の時にね」 なのは「ティアナのお兄さん、ディータ・ランスター。当時の階級は一等空尉。所属は首都航空隊。享年21歳」 ヴィータ「結構なエリートだな」 フェイト「そう…。エリートだったから、なんだよね。ディータ一等空尉が亡くなったときの任務。 逃走中の違法魔道師に手傷は負わせたんだけど、取り逃がしちゃってて…」 なのは「まぁ、地上の陸士部隊に協力を仰いだおかげで、犯人はその日のうちに取り押さえられたそうなんだけど」 フェイト「その件についてね、心無い上司がちょっとひどいコメントをして…一時期、問題になったの」 ヴィータ「コメントって……なんて?」 スバル「犯人を追い詰めながらも逃すなんて、首都航空隊の魔道師としてあるまじき失態で、 たとえ死んでも取り押さえるべきだった…とか。もっと直球に、任務を失敗するような役立たずはうんぬん…とか」 なのは「ティアナはその時、まだ10歳。たった一人の肉親を失くして、 しかもその最後の仕事が無意味で役にたたなかったって言われて…。 きっともの凄く傷ついて、悲しんで…」 スバル「だからティアは、証明するんだって。お兄さんが教えてくれた魔法は、 役立たずじゃない。どんな場所でも、どんな任務でもこなせるって。それで…残された夢を、 お兄さんが叶えられないで終わっちゃった執務官になるって夢を、叶えるんだって。 ティアがあんなに一生懸命で必死なのは、そのせいなんだよ」 スバル「で、ティアが考えてることって?」 ティアナ「短期間で、とりあえず戦力をアップさせる方法。うまくできれば、 あんたとのコンビネーションの幅もぐっと広がるし、エリオやキャロのフォローももっとできる」 なのは「じゃあ、引き続き個人スキルね。基礎の繰り返しになるけど、ここはしっかり頑張ろう!」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「はい!!」 スバル「なのはさん…。優しいから」 フェイト「私も手伝おうと思ったんだけど」 ヴィータ「今はスターズの番」 フェイト「ほんとは、スターズの模擬戦も私が引き受けようと思ったんだけどね」 ヴィータ「あー。なのはもここんとこ訓練密度こい~からな。少し休ませねぇと」 フェイト「なのは。部屋に戻ってからもずっとモニターに向かいっぱなしなんだよ。訓練メニュー作ったり、 ビデオで皆の陣形をチェックしたり…」 エリオ「なのはさん。訓練中も、いつもボクたちのことを見ててくれるんですよね」 キャロ「ほんとに。ずっと…」 なのは「私の本気はこんなもんじゃないの」 なのは「こぉらスバル。駄目だよ。そんな危ない軌道!」 スバル「すいません!でも、ちゃんと防ぎますから!」 フェイト「なのはっ!!」 なのは「おかしいな。…二人とも、どうしちゃったのかな?」 「がんばってるのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ。 練習のときだけ言うこと聞いてる振りで、本番でこんな危険な無茶するんなら、練習の意味…ないじゃない」 なのは「ちゃんとさ…。練習どおりやろうよ。ねぇ。私の言ってること…私の訓練…。そんなに間違ってる?」 ティアナ「私は!もう、誰も傷つけたくないから!失くしたくないから!だから…っ、強くなりたいんです!!」 なのは「少し……頭冷やそうか」 なのは「じっとして。よく見てなさい」 なのは「伝えたいことがある。勇気の意味と一番最初に、守るべきもの。 次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS…第9話、たいせつなこと。 皆がいつか、自分の空をゆく日まで…」